二
□挨拶はしっかりと
1ページ/2ページ
「グララララ、チビっこいのが来たじゃねェか!!」
『きゃあぁぁ!?』
白ひげ様と対峙した途端、そのあまりにも常人離れした体躯に悲鳴を上げた忍たま達。一応、予備知識は入れておいたのだけれど
意味、無かったわね・・・
見ると聞くとじゃ大違いということか
親父の姿を見て悲鳴を上げた忍たま。やっぱそうなるかよいと苦笑いすると、何やら膝にコテンと寄り掛かる感覚
見下ろすと、サンジロウが鼻から白いモン出して倒れてた
「ちょ、どうしたよい!?」
バタバタと倒れる子供
ふよふよ浮かぶ半透明の物体
突然の事態に何が起こったのか分からない(取り敢えずサンジロウとヘイダユウの体を支えてやったけどよいっ)。驚き声を上げれば名前がクスクス笑った。いや、笑ってる場合か!?
「マルコさんそれ捕まえて下さい」
慌てず騒がずどこからか取り出した網で謎の白い物体を捕まえていく名前
「名前何だよいこれ!?」
「魂です」
「・・・よい!?」
「ビックリして抜けちゃったんです。よくあることですから」
ほら、と網に掛かった魂(?)の一つを掴みシンベエの鼻に突っ込む。何の抵抗もなくスルスル入っていくソレ
呆然としてる俺に向かって、名前が網の中から新しい魂(?)を取り出して見せた
「ほら、顔も付いてるのでその通りに鼻に突っ込んで下さいな」
「・・・ふわぁ、名前先輩ありがとうございまーす」
「うぅん・・・ビックリしたあ」
鼻から魂を戻されたシンベエ達は何事もなかったようにへらりと笑っている
「・・・よい」
こうなりゃヤケだ!目の前を通過したモノを掴んでみる
柔らかな感触
ほのかに暖かな、魂(?)
内心ドキドキしながら(人の魂掴むなんざ初めてだよいっ)よく見れば確かに顔が付いている。しかも『ボクはそっちでーす』しゃ、喋って・・・っ
11人分戻した頃にはもう・・・グッタリだった
「それじゃ改めて」
『白ひげ様初めましてー!!』
横一例に並んで元気良く挨拶する忍たま。もう親父に対する驚きや恐怖はない。お前ら本当にさっきのなんだったんだと叫びたくなる程の落差・・・此れ程の脱力感に襲われたのは久方ぶりだ
「魂抜けても平気なのかよい・・・」
どっと疲れたよい
「さあ、私の世界では普通でしたけど」
皆さんは抜けないんですね。知りませんでした
困った顔の名前は不思議ですねなんて首傾げてるが、俺達にゃ魂抜けんのが日常茶飯事な世界の方が圧倒的に不思議だ!
「・・・名前も抜けるかよい」
「下級生の時はありました。今はもうちょっとやそっとじゃ驚かなくなりましたけど」
.