一
□仕事
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朝、例のセクシーナースが包帯を替えてくれた
包帯は相変わらず木綿で、柔らく肌触りがいい。昨日は此方も警戒していたしで敢えて言わなかったが、木綿の包帯でいいのかと訊ねると不思議な顔をされた(麻が普通だと言うと驚いていた)
この世界は随分と豊かな様だ。その差異に戸惑ってしまう
南蛮とも日の本とも違う世界、その文化や生活スタイルは南蛮に近く、言語は両者が混沌と交ざり合っている。不可解な世界。長次に南蛮文字を教わっておいて良かった
溜息をつくと廊下に感じるマルコさんの気配
・・・此方の人達は気配を消さないのねぇ
仮にも忍の卵である私は意識が戻ってからこの船上の気配を探り続けている。それは眠っている間も、だ
白ひげ様は気付いているが(彼の気配を探った瞬間楽しそうに空気が揺れていた)、マルコさんを初め他のクルーが全く気付かないのが不思議で仕方ない
可笑しな世界
船内には見たこともないモノが山ほどあった。南蛮以上の高度な文明と技術。それはここが異世界である現実を突き付けてくる
いつ、帰れるんだろう・・・
早く帰りたい
小松田さんの持つ入門表にサインして
遅かったのぅ、なんて学園長先生に笑われて
お帰り、遅い、何やってんだ、と仲間にこずかれ
お帰りなさいませぇ、お役目御苦労様です、可愛い妹に迎えられ
先輩!、名前先輩!、小さな弟に抱き締められる
‐コン、コン‐
軽いノック音に、俯いていた視線を上げる
・・・いけない
感情を表に出すなど、くのたま失格だ
柔らかな笑顔を張りつけると、立ち上がり扉を開けた
「おはようございます」
「食堂で朝飯食うよい」
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