一
□私たちの幸せ
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鋭い視線。エースさんはこんな表情もするのね。思わずふふ、笑ってしまった。視線が、ぐぐっと鋭さを増した
「死ぬならお前たちに殺されたい」
!?
「そう言った仲間がいます」
それはいつ頃のことだったか・・・卒業後はどうなるだろうと、誰かが言い出したんだっけ
「卒業しても決して死ぬな。死ぬ時は私が殺しにいく。私もお前たちが殺せと、満面の笑顔で」
この暴君め!と叫んだけど、皆気持ちは一緒だった
「家族を守り、最後家族に殺される」
「我々にとって、それは最高の幸せ」
その証拠に
「雅お姉様は笑っておられた」
幸せ者だと。私もそうだ。大好きなお姉様を自らの手で葬ることが出来た喜び。外からはさぞ歪んで見えるだろうその感情
「家族だから、特別」
強さも弱さも知り尽くし、生き死にの世界を支え合った相手だからこそ
「最後に願うのです。死ぬなら他の誰でもなく、家族に殺されたいと」
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