一
□主人に感謝を
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上陸の為いつもより静かな食堂を後にし、名前が向かったのはモビーでも一等巨大な扉
船長室である
‐トントン‐
「白ひげ様、名前です」
「入れ」
失礼します。扉をくぐると心地好い威圧が身体を包む
背筋が伸びる、この空間が好き。学園長先生の前に立った時を思い出すから。鋭くも暖かな、威圧
「名前、どうした」
いつもの巨大な杯片手に、穏やかに笑う白ひげ様
「お礼を言いに参りました」
にっこり、微笑む。深く、頭を下げた
「ありがとうございます」
クルーの方々に変装を披露した後、実は親父から金を預かっていたのだと告げたマルコさん(若干焦ってる彼を見るのは楽しかった)
「お前ェ、全く使わなかったそうじゃねェか」
マルコの野郎、渡した金まんま戻してきやがった
「白ひげ様から頂くのは心苦しくて」
忍者とは慎ましく暮らすもの。贅沢には慣れていないのです
苦笑いでそう告げれば、面白くて仕方ないという様に、空気を揺らすその声
「白ひげの金を断った女は初めてだぜ!!」
‐ああ、でも‐
この髪紐、マルコさんに買って頂きました
グララララ、あのアホンダラァ!!
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