二
□よい子たちと海賊のとある日常F
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「まず電伝虫書く練習だよい」
「「「「でんでん虫?」」」」
「うん。こう…紙に書けって」
エースの失敗した報告書の裏にぐるぐると渦巻きを書く団蔵。お手本として置かれた紙面にはぐるぐると簡略化されたでんでん虫の絵が
「団蔵が教えてもらってるのって、字の書き方だろ?」
「しかも変な絵」と首を傾げるきり丸に庄左ヱ門が「でもマルコさんのことだから何か考えがあるんだよ、きっと」と本を読みながら答えた
「それ何の本?」
「‘戦闘時における効果的な痛みと恐怖〜中級編〜’」
「「「「・・・」」」」
「みんな見て!!!」
なになに?と集まる一はの面々。おれが書いたんだと団蔵は鼻息も荒くテーブルに紙面を広げた
『おおおぉぉ…っっっ』
団蔵の字が解読可能になった
感動するチビたちはキラキラな眼差しでなんで?どうして?どうやって?と執務室に雪崩れ込んできた
「エースが書いてた字のが酷かったよい」
あの頃を思いだし思わず、遠い目
アイツもそりゃあ酷い字を書いててなァ。伸び伸びとし(すぎ)て独創的と取れなくもないが、アレを初めて見た奴は「なんの絵だ?」と問うためやはりアレは文字じゃない
「解読出来るようになるまで大変だったよい・・・」
だからダンゾウの字は読みやすかったよい
『すごおぉぉいっっ!!!』
コソッ
「ねぇ、庄ちゃん」
「なぁに、伊助」
「マルコさんってさ・・・土井先生に似てると思わない?」
見た目じゃなくて、何て言うか・・・キャラクター?
「世話焼きの苦労人だし、団蔵の字は解読出来る、名前先輩の表情も分かる・・・」
「確かに、言われてみれば共通点は多いね」
‐そしていつかは胃痛持ち?‐
ナースさんに言っておこうか
うん。善は急げって言うしね
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