二
□よい子たちと海賊のとある日常A
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それは、ある日のモビーでの出来事…――
「マルコ隊長今よろしいですか!?」
「マルコー、これどうやんの?」
「マルコよォ、ちょっといいか?」
「隊長!」
「庄左ヱ門これなんて読むの?」
「庄左ヱ門なんか面白いことない?」
「庄左ヱ門ぼくお腹空いたー」
「庄左ヱ門っ、褌の代え知らない!?」
マルコと庄左ヱ門は疲れていた。毎日毎日、白ひげのNo.2として、は組の頭脳として駆け回る日々
中でも今日は特に酷かった
航海士と打ち合わせをし、エースの報告書の採点をし(これは再提出だと突き返し)、何故かラクヨウに奴のバンダナの所在を聞かれ(てか何故俺に聞いた。知るわけねェよい!)、食料庫に侵入しようとしたエースをシバき・・・
読み終わった本を返そうと書庫に行ったら建築に関する本を読んでいた兵太夫に南蛮文字読み方を教えることになり(ついでにマルコさんからお借りした辞書を渡し)、なにか面白い事はないかと喚く金吾にハルタさんと鬼事なんてしてみたらと提案し(そしてすぐに捕まってしまえばいいんだ)、お腹が空いて動けなくなったしんべヱにパティシエさんからいただいたビスケットを渡し・・・
正直、疲れた(よい)
「「ハァ・・・」」
あれ?
ん?
ふと、視線が交わる
同じ悩みを抱える者同士、二人は引かれあうように甲板の端に座り海を眺めた
ぽつぽつと、どちらともなく自身の一日を語り始める
「隊長隊長ってよい、廊下の電球が切れてるだの人参が嫌いだから次の補給から外してくれだの・・・」
知るかよいそんなこと
「ぼくも、正直個人の褌の置場所までは分かりませんよ・・・」
ああ、お互い苦労してるのだなぁ
尽きることのない苦労話に、互いに似た性質を見出だした二人の背中は何処と無く物悲しい・・・
「みーつけた」
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