一
□叶わぬ望
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お頭から下された任務に、ああ遂にきたかと、目蓋を閉じた
浮かぶのは暖かな学園
愛しく可愛い妹達
厳しくも優しい先生方
いつかこうなると、覚悟していた
敵勢力に就くという事は、あたしの持つ情報を利用するという事だ
それを承知で就職した。自分の力を、最大限活用できるのが‘テッポウタケ城忍隊’だったから
それなのにあの箱庭を守りたいと思ってしまうのはあたしの我儘
・・・思うだけなら、許される
叶わぬ夢だから
「分かったな、雅」
自分は頭を垂れるしかない
だってあたしは、忍
「御意」
妹達、皆、此れから其方へ向かいます
大切な家を壊す為です
‐感情に、蓋‐
だから、私を殺してな
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