□贈り物
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「あ・・・」



はらはら、黒髪が肩に流れた







髪が解けてしまった。床に落ちた紐は見事に真っ二つ。困った事に予備を持っていないときた



忍器の紐を解いてもいいけど・・・ここで新調は出来ないから手を出したくな「名前ちゃんっ!?」











「女の子は髪下ろすと雰囲気変わるなぁ」



にまにま、鼻の下伸びきったサッチさんに苦笑い
私は廊下、サッチさんは甲板に居たというのに降ろし髪にした瞬間飛んできた彼の本能は・・・小平太に並ぶな(本能ってか、煩悩?)



「サッチおやつ・・・お、名前髪下ろしたのかー」

何か雰囲気違うなー



笑って駆け寄ってきたエースさんは周りをくるりくるりと回って、にしし、と笑った



「紐が切れてしまって」



潮風に流されはらはら舞う髪は、正直鬱陶しい。今は取り敢えず頭巾で縛ってしまおうか



「ん?」



突然ぐいっと顔を近付けてきたエースさん。肩に手を置き首筋や頭に顔を埋めてきた。別にソレで顔を赤らめる様な初でないから、されるがままに首だけ傾げる



「ちょ、何やってんだエース!!」



俺にもやらせろ羨ましい!なんて言葉は無視して、何やらクンクン、匂い嗅いでる(なんで?)エースさんを見上げた



「どうかなさいました?」

「あー、やっぱ名前だ」



そう笑って、またクンクン



「名前っていい匂いするよな!」

なんつーか、石鹸・・・の匂い!



それを聞いてサッチさんがエースさんの頭をポカンと殴る。なんだよー、と唇を尖らせる姿に苦笑してしまう(何というか・・・エースさんらしい)。サッチさんは腕を組んでご立腹だ



「イイ匂いがしても女の子を嗅ぐな!めっ!!」



一方エースさんは怒られる意味が分かっていないのか、暫く考え込んだ後にとんでもない爆弾を落としてきた



「女じゃなきゃいいのか?」













「エース、お前、男の匂い嗅いでどうするよ・・・」

「サッチや4番隊の奴らはイイ匂いだぞ?」

腹が減ると嗅ぎに行くんだ!その後もっと腹減るけど



・・・成る程、食堂の匂いか



なんとも彼らしい発想に、サッチさんは頭を押えてうなだれた(可哀相なサッチさん)



「なにやってんだよい」



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