□鍛練始動
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「・・・ま、大丈夫ね」



服を脱ぎ診察台に横になる名前は安心して息を吐いた



「抜糸の跡もきれい。鬱血もない。多少皮膚が引きつれるのは我慢してね」

「あの、鍛練は・・・?」



目が覚めてから殆ど体を動かしていない。このままでは身体が鈍ってしまう


ナースのイザベラさんがカルテから顔を上げるとニッコリ笑った



「もう大丈夫。けど無理は禁物よ」












「ふふふっ!」


傷は完治

鍛練再開の許可も下りた



思わず笑みが零れる


さて、何から始めるか・・・



最初はストレッチに準備運動。今日はハルタさん率いる12番隊が甲板で鍛練をしてるから交ぜてもらおう!


それから筋トレに走り込み・・・本当はもっとやりたいが『いい?無理は禁物よ!』と念押しされているからこのくらいにしよう(医療関係者には逆らってはならないと体が記憶している。伊作のせいだ!)



「ハルタさん」
「名前、なに?」



甲板でクルーと組み手をしていたハルタさん。きりのいい所で声を掛けると、ん?、首を傾げた



「鍛練?いいよいいよ。おいで!」

「ありがとうございます」

と言っても、ストレッチと筋トレ位しか出来ませんが・・・



それでもハルタさんは構わないと笑ってくれた



「ダンベルとか器具は揃ってるからね、好きに使ってよ」

「ありがとうございます」



適当に開いている場所に座り入念に身体を解していく



「お、今日は名前もいるのか」

「もう傷は大丈夫なのか?」

「なんか手伝うか?」



所々から掛けられる心地よい声、声、声


お邪魔してもよろしいですか、と問えば「大歓迎だぜ」と野太い笑い



相変わらずお人好しな人達だと思うのだけど、彼らにはソレが似合っていて、自身もこの空間が心地好いと感じてしまうのだ



ふふふ、自然と笑みが零れた



「それ、お借りしてもいいですか?」



十分に解れた身体。大きく腕を伸ばし立ち上がる。クルーが持ち上げていたダンベルを指差した



「いや、いいんだけど・・・」

結構重いぜ、と続く言葉は飲み込まれた



「んー、100キロ位ですか?」
「・・・・・・」



病み上がり、しかもその細腕で軽々持ち上げポンポン、お手玉の如く放り上げる



負荷が弱いなぁ。もう一つくらい・・・



そして、床に転がるもう1つに視線を落した



「それも、いいですか?」



コクコク頷くクルーに頭を下げ、持ち上げるとそのまま正面に向かって拳を突き出す








「「・・・」」


「あれ、何キロだっけ?」

「俺、いっこでやってんだけど」

「筋肉無さそうなのに」

「腕、メッチャ細かったぜ?」

















‐人は見た目によらぬもの‐


忍者って、スゲー!!


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