□挨拶
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・・・でか!



船長に会いに行くということでナースの検診を受ける


なんとも露出度の高いナースだった・・・。是非着てみたい


幾つもの視線を感じながら(敵意が含まれないのが不思議でしかたない)訪れた船長室にいたのは・・・






巨大な人だった





「グララララ、エースの拾いモンてなぁお前ェか」



扉の前から威圧がハンパなかったが、そもそもの規格が違う



・・・その巨大な杯は何処で手に入れたんだろ





肌をビリビリ刺す威圧



殺気の含まれないソレは学園の先生方によく似ている



暖かな視線と貫く様な威圧



だが怯みはしない。ペタペタと歩を進め船長、白ひげの前に跪く



「私は名前。船長殿、命を救って頂きありがとうございます」

マルコ殿やエース殿、ナースの方々に伺いました。本当に、感謝してもしきれません



「グララララ、海賊相手にんな台詞吐くヤツは初めてだ」



ぐびぐび、杯を煽る気配



「頭ァ上げろ」



立ち上がり視線が交わった瞬間、今までとは比べものにならない威圧・・・もはや殺気に近いソレが、全身を突き抜けた







有り得ないっ!



背筋を冷や汗が流れる。一瞬でも気を抜けば意識を失うだろう



しかし私も卵とは言えくノ一。プライドも有る


平素を装いじっと、見つめ返した




でも・・・ついさっき目覚めた怪我人に、コレは、ないんじゃない?




船長殿は面白そうに笑ってるが、当てられた方はたまったもんじやない(後ろのエースさんだって、息を飲んだじゃないか)

















時間にして、ほんの数秒。ふっ、と威圧が消え息を吐く



「・・・ふぅ」

「グララララ、今のを耐えきるたァ大した娘だぜ!」



杯に満たされた酒が巨大な体内へ消えていく



「気に入った。名前お前どっから来た? 送ってやる」









どこから・・・


言うのは危険


ここにいる原因が分からない今、彼らを味方と判断するのは早すぎる




かといって、この男に誤魔化しなど通用しないだろう


タイプこそ違うが学園長先生と同じく人を観る目だ





正直に言うしかない、か・・・



「私は忍術学園から参りました」

「忍術学園だぁ?」

「日の本、摂津と河内の国の側、山々に囲まれた場所です」

「聞いたことねぇな、グランドラインのどの海だ」




‘グランドライン’

初めて耳にする単語、だと思う



「・・・グランドラインとは何処でしょうか」

聞いたことがございません



背後の二人が驚く。船長殿は片方の眉を上げて、空になった杯を置いた



「イーストブルー、レッドライン、新世界、世界政府、知ってる単語はあるか?」





・・・話が噛み合わない

南蛮貿易が盛んであった事もあり、それらの知識は頭にたたき込んでいたはずなのに

嫌な予感が、する



「どれも、存じません」

「・・・マジかよ」



背後からエースさんの呟きが聞こえた



「異世界、だなぁ」

「親父?」



船長殿の呟きにマルコさんが首を傾げる



「有り得ません」

「名前、ここはグランドライン。何が起こっても可笑しくねェ海だ」



「・・・」

「面白れェじゃねえか、名前。帰り道が分からねェってんならこの船にいろ」



何故・・・



「私は危険です」

「グララララ、小娘一人増えた所で俺の息子達はどうもならねェさ」



器の大きな人。やはり、学園長先生に似ている


思わず口元が弧を描いた



「よろしく、お願い致します」



深く深く、感謝を込めて頭を下げた



「野郎ども、客人だあぁ!」



どささささっ!



扉にへばりついていた男たちが傾れ込む



「宴だぁあ!!」




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