二
□よい子たちと海賊のとある日常C
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「いいか・・・お前ェらよっく聞けよ!」
「「「「「はいっ!」」」」」
真剣な眼差しで一言も聞き逃すまいとサッチを見つめるよい子たち
そう、これは決して間違ってはならない。自分たちに与えられた重要な任務・・・
「こっち側の袋と箱は食堂、こっちの箱は裁縫部屋、この紙袋と箱は航海士の部屋、これはナース室、こっからここまでは船大工んとこだ!」
覚えたか!?
「「「「「はいっ」」」」」
「この袋が食堂で箱がナース室・・・あれ?」
「大丈夫、紙に書いたから。分担して覚えよう」
「さすが庄ちゃん!」
「は組の頭脳!」
そう、任務という名の《お手伝い》
こうした小さな荷物を運ぶのは忍たまの役目となっていた。そして名前はその《任務》に毎度制約を着ける。声を掛けられては駄目、速歩で運ぶ、目隠しをして運ぶ等々
今回は一度聞いただけで荷の届け先を覚えよというもの
「ん?シンベエ、そりゃ一人じゃ無理だぜ、重いからよォ」
クルーの一人が木箱を前にしたシンベエに声を掛ける
シンベエはへにゃり笑うと大丈夫でーすと箱に手を掛けた
「・・・おおっ!!」
「大丈夫ですよー。しんべヱは力持ちですから」
「スゴいじゃねェかシンベエ!」
「えへへ〜」
褒められて嬉しいしんべヱはくふくふ笑って船内へ向かう。こうして白ひげ海賊団の人たちはたくさん褒めて頭を撫でてくれるからとっても大好き。固くて、少しガサガサした掌は大好きな土井先生みたいだ
「ええっとぉ・・・これはお野菜だから、食堂!」
食堂ではコックが食材や調味料の仕分けに忙しく動き回っている。そのうちの一人が小さなしんべヱに気付いた
「あらシンベエくん、それ一人で運んだの?重くなかった?」
「えへへ、大丈夫でーす」
「ありがとうね。コック長!シンベエくんコレ一人で運んでくれたんですよ!!」
「おおぉ!?スゴいじゃないかー!」
コック達が凄いなありがとうなシンベエと頭を撫でていく
チョイチョイ、テーブルの下から怖い顔のパティシエが手招きしていた
「ありがとなシンベエ。これ・・・ナイショだぞ」
コック長とマルコ隊長と名前には絶対秘密だ
「わぁっ、しゅうくりいむだぁ!ありがとございまーす!」
「いいか?特にマルコ隊長にナイショ・・・」
「なぁにが内緒だって?」
‐ちょっと来いよい‐
ヒィ・・・ッ!!
シンベエは手伝いの続き頼むよい
はぁい!行ってきまーす!
おまけ→