あの日から(学園 筆頭落ち)

□委員長は遭遇率が軒並み高い
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「はぁ、はぁ・・・何とか間に合ったけど・・・どうしよう・・・」



結局制服のことは解決していないまま到着した。



(どうしよう・・・うちの店長、こういうの厳しいからな・・・)



困り果てたそのとき。




「・・・何をしているのだ、貴様は。」



「いや、バイトの制服を忘れまして・・・ってあれ?・・・毛利先輩・・・」




冷ややかな目で私を見据えるは、かの日輪という名の太陽がお好きないつでもどこでも光合成中な毛利先輩。



「どうしてこんなところに?」



「我がいかような場所にいては悪いか。」



えっ?そうくる?そうくるのか!?



「いえ・・・学校意外で毛利先輩に会うの、初めてですから・・・」



「・・・そうか。」



私を見据える冷ややかな目が少しだけ温かくなった。



「・・・それで、何をしておる。」



「えっと・・・私はここでバイトしているのですが、制服を忘れてしまいまして・・・」



「なんだ。そんなことか。」



そんなこととはなんだ。そんなこととは。これでも私大ピンチなんだぞ!!



「・・・ふん。それしきのこと、我に任せよ。」



「どうせ私は馬鹿で間抜けですよ・・・って、え?」



「しばしここで待て。」



「え?あ、はい。」



私に言って、毛利先輩は店へと入っていった。



まさか、毛利先輩がそんなことを言うなんて夢にも思わなかった。いつも誰かを罵倒してばかりだったから。
正直言って、見直した。・・・いいところ、あるんだね。




「待たせたな。」



そんなことを考えている内にも毛利先輩が戻ってきた。



「これでいいだろう。」



そういって差し出されたのは、私がいつもバイトのときに見に付けるものと全く同じデザインのエプロン。



「ど・・・どうやってこれを・・・」



「我にとっては皆所詮、捨て駒よ。捨て駒を操ることなど容易いわ。」




「そ・・・そうなんですか・・・」



一体どうやったのか。それは教えてくれないんだね。
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