過去(とき)の旅人(トリップ? 誰落ちでしょうか?)
□夢見がちな現実主義の少女
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時夜は全て話し終えると、ふうとため息をつきながら秀吉公や竹中の様子を窺った。
竹中は顎に手を当てて何事か考えているようだった。秀吉公は・・・相変わらず表情が読めない。
しばらくして、また竹中が口を開いた。
「もう一つ聞こう。どうして三成君と家康君が戦っていた・・・というのはこの際聞かない。
だけど・・・君は仮にも未来人だ。未来の事を教えて歴史が変わったりしたらどうするんだい?」
それはもっともだ。もし、本来生きて子をつくる者を殺してしまったら?
その後の子孫は全滅するということになる。それを恐れたりしないのだろうか。
「大丈夫じゃ。子というのはみやいが変わって親が違うことになるかも知れぬがいずれにせよ生まれ出でてくることに変わりはない。」
「そうかい。ならいいんだ。それにしても・・・松永久秀・・・か。」
松永久秀。その名を聞いた途端秀吉公の顔色が変わった。
「・・・半兵衛。」
竹中は何かに気づいたように「秀吉。ごめん。」と謝った。それを時夜は見逃さなかった。
「うむ?松永久秀とややとなにか因縁でもあるのかの?」
それが発火剤になったのか、秀吉公が怒りをあらわにした。いかにも憎憎しいと言わんばかりで。
「そのとおりだ。松永軍の三好三人衆の許すまじ悪行を見かねた我は単身で松永軍に乗り込んだ。そして、完膚なきまでに叩きのめされた。
そして学んだ!!全ては『力』だと!!それ以来、我は力を求め、有能な兵はたとえ仇敵であろうとも配下に入れた。
『愛』は弱きを生む。それ故に我は最愛の妻であるねねを殺した。そして我は強くなった!!
時夜。お前の力の程は半兵衛から聞いている。ならば我が軍のためにその力を使うがよい。
望むのならば最高の待遇も用意しよう。その力を持って、我が軍を世界へと進出させ、火の元を強き国へ―――」
「くだやぬ。」
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