True(学園 落ち不明)
□私に一体ナニが・・・
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(・・・ふう。)
終わった。終わってしまった。授業がこれほどまでに短く感じられたのは初めてだ。
いつもの放課後なら家に即行で帰って詩暮の夕飯のお弁当作るんだけど・・・
「竹中先生・・・一体私に何させる気なんだろ。」
そんなに遅くはならないだろうが一応詩暮にメールをしておく。たしか、今は病院では自由にしてるはずだから。
(『今日、遅くなるかもしれないけど許してね』・・・と。はい、送信。)
ピロリーンとメールがしっかり送られた合図が鳴る。それから数十秒後だった。
チャラッチャラ、ラァァァーン・・・
メールが届いた機械音が鳴る。ちなみにボッスンと同じ着信音だ。ネタわかんない人ごめんね。
(早っ)
驚いて思わず携帯を取り落としそうになる。
パカッと携帯を開きメールの内容を見る。
『大丈夫。今日は来なくてもいいから。頑張ってね。』
ええ・・・来なくてもいいって・・・淋しいよ。なんだか愛する妹が巣立ってった気分・・・
詩暮のことだ。私のためを思ってそうしたのだろう。でも、こればっかりは・・・
(『大丈夫だよ。さっさと済ませてお弁当作ってそっちに向かうから。だから、来なくていいとか言わないでよ』・・・と。送信。)
ちょっときつい言い方の文面になってしまっただろうか。
またもや数十秒後、メールの着信音が鳴る。
『今日は私、調子が悪いの。
だから面会謝絶にしてるから来なくていいの。
一食ぐらい抜いたところで死にはしないんだから。
お姉ちゃんが私のために頑張ってることは知ってる。
たまには息抜きも大事でしょ。じゃあ、明日。』
私は不思議に思った。もともと詩暮はメールを打つのがそう早いわけではない。
こんな長文をしかも数十秒で書いて送ることなど不可能に等しいのだ。
しかし、実際に今、それは起こった。考えられる方法は一つ。
(・・・前もって書いて用意していた・・・から?)
どうしてなんだろう。そんな疑問を拭うことができない内に竹中先生がいるはずの職員室へとついてしまった。
「失礼しま―――」
言い切る前に何者かが私の背後に来たことを悟った。振り向こうとしたら、手刀でやられる。持っていた携帯を落とした音が遠く響いた。
(な・・・一体・・・何が―――)
私のわずかな思考も途切れ、瞼を閉じた。