あの日から(学園 筆頭落ち)
□その結果がこれだ!!(夢主視点)
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(※時間帯は『いや、むしろ天才的』の3ページ辺り)
ああ・・・こんなに静かに朝を過ごせるのはいつぶりだろうか。
伊達君に翻弄されたり石田先輩にどやされたりして大変だからなぁ・・・
・・・それでも。今だからこそ思う。
今までの生活はなんとなく味気ない感じがした。周りの人とはあまりしゃべらなかったし。
しいていうなら今までの私の人生は石田先輩というスパイスのみが味付けだったようにも思われる。
真田君や猿飛君は風味付けのレモングラスといったところだろうか。
別に真田君や猿飛君を疎外しているわけじゃない。人にはそれぞれの持ち味がある。
その持ち味が私の人生に干渉しているのがそれくらいというだけだ。
でも・・・今は違う。
今は伊達君という存在の新しい味が私の人生に付きつつある。
それは物に例えるのはまだ難しいけど・・・きっと色々な味を生み出すんだと思う。
そういえば、伊達君・・・結局何で私の事を知っていたんだろうか。
あれからいくら記憶を辿ろうとも彼は出てこなかった。でも、仕方が無いというのに何故か罪悪感がする。
知りたい・・・だけど知るのが怖い。またもや矛盾している。もしかしたら、人の心とは矛盾しているものなのかもしれない。
というか何でこんなこと考えてるんだ私は。普段なら絶対こんなことは考えないだろ。
まぁ、これも平和だからこそ考えられるんだよね。学校じゃこうは行か―――
「天乃!!!!!!!出て来いっ!!!!!!」
・・・やっぱり、私の安息所というのは存在しないのか・・・
今の声は声質からして石田先輩だ。
・・・何でここが分かったんだ?石田先輩に私の家は教えていないのに。
まさか、伊達君が教えたのだろうか?あんまり仲がよさそうには見えなかったけど・・・
この前、黒田さんの家に泊まったときに二人に追いかけられた。そのときにでも伊達君が教えたんだろうか。結束の力、みたいな?
というか、今日は平日だぞ。授業があるんだぞ。なんで来るんだ?豊臣生徒会長至上主義じゃなかったのか!?
私は、喉が痛くてあんまり大きな声は出せない。きっと石田先輩にその声が届くことは無いだろう。
でも、無視したりしたら後が怖いしなぁ・・・
そう思った私はベッドの脇にあったオレンジ色の大きな目覚まし時計を持って、ベランダへ出た。
この目覚まし時計、はがき出したら当たったんだ。それ以来のお気に入りであった。何より、目覚まし音が面白いしさ。