あの日から(学園 筆頭落ち)
□いや、むしろ天才的
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・・・ハァ・・・ハァ・・・
―――頭が熱い。なのに体は寒い。この矛盾はなんだ?
(・・・くそっ、ただでさえテストが近いってのに・・・どうしてこんな・・・)
ベッドで寝ながらもどかしげに体をねじる。時刻はすでに7時30分を回っていた。
カーペットに落ちている携帯を億劫ながらも取り、電話をかける。お相手は『婆娑羅高校』。
―――天乃 由梨。完全に風邪引きました。
「はい、ばさらこうこうです。」
この声。上杉先生か。
「・・・1−3の天乃です。すみません。どうやら風邪引いたようで・・・今日朝から39度の熱があって体がだるいので・・・
今日はお休みさせてください。」
「おや、それはいけませんね。からだをたいせつにするのですよ。」
「はい。お心遣い、ありがとうございます。」
「きょうはゆっくりやすみなさい。」
「はい。それでは。」
パチッと携帯を閉じて、またカーペットに放り投げる。
(・・・今日だけでも、何もないといいな・・・)
そんな私の願望が崩れ去るまで、あと30分。