過去(とき)の旅人(トリップ? 誰落ちでしょうか?)

□時を越えたワシ達
1ページ/5ページ

※家康視点



「―――さて、この空間から出るかの。覚悟の程はいいかの?」



いきなりそんな事を言ってきたので、思わずポカンとしてしまった。



「覚悟も何も、どの道でなきゃ始まらないんだろう?」



「まぁ、そうじゃがな。では、空間を消すぞ。上を向いておれ。下は絶対見てはなやぬぞ。」



・・・は?



空間を・・・消す?




一体何を―――


突如、視界に移っているものが一変した。さっきまでは城内だったのに、今見えるのは天と雲と・・・太陽だった。



そして腹の奥がゾクゾクと疼く、この感覚。何故だか忠勝に乗っているときを彷彿とさせた。




・・・見てはいけないと・・・そう言われたが、ワシは下を見た。



そこに広がるは・・・地上から離れた高みから―――



・・・落ちていく光景だった。



「う・・・うわあああああああ!!!!!!」



思わずわしは叫んだ。いや、叫ばずに入られなかった。



「・・・やかましい・・・!」



時夜の声が聞こえた。



「この程度で騒ぐでない。・・・ハァァァ・・・」



駄目だ!地面に激突する!!
ワシは衝撃に備え、目を閉じて、身をかがめた。



落ちる―――!!



ボヨン。そんな音が聞こえた。これは明らかに地面に落ちた音ではない。




恐る恐る目を開けると・・・そこには大きな立方体の物体が敷かれていた。



初めて感じるさわり心地。これは一体・・・



「・・・ふう。」



ホッとしたように息をつく時夜。



「・・・これはなんだ?」



訝しげに三成が時夜に聞いた。



「わやわが創った衝撃を吸収するジェル、じゃ。先ほどの空間を創るのと同じ要領でな。



・・・では、ここがいつの時代なのか、調べるか。」



分からないことでいっぱいのワシ達を放っておいて、時夜は歩き出した。



余談だが、刑部はもともと浮いている為、何の抵抗もなく地上に降りることができた。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ