過去(とき)の旅人(トリップ? 誰落ちでしょうか?)
□ミチナルセカイ
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※三成視点
―――私は松永とかいう男に足蹴にされた。
やつはかつて、秀吉様を足蹴にしたといっていた。
それだけでも許されない。しかし、それだけでは飽き足らず、私の全てを奪おうとしている。
「家康を殺すのは私だ」・・・そう叫んではいたが内心諦めかけていたのだ。
それも仕方のないこと。あの状況は絶体絶命というほかない。助かりなど、しない。そう思った。
しかし、たった一度、瞬きをした瞬間、その状況は一転する。
・・・目を開けると、小娘が映った。
その小娘が私と―――そして、家康を抱えている。
卿は何だ。松永が小娘に問う。
明らかにその問いに対する返答ではないことを小娘は言った。
「・・・華を乱すものは赦さぬ。」
憎しみや怒りというよりかは・・・悲しそうな声色。
しかし、この小娘も敵かもしれない。そう懸念した瞬間、私の意識が途切れた―――
―――目が覚めたら、不思議な空間にいた。
懐かしい城内のような、風景。それは私の心を落ち着かせてくれる。
辺りを見回していると、明らかに人間でないものが私をじっと見て、佇んでいる。
「・・・・・・」
敵だ。そう認識した。
刹那、容赦なく斬りつけ、殺した・・・はずだった。
見てみると人でなき者には切り傷も何もなかった。無傷のまま。あれだけ斬りつけたというのに。斬滅したはずなのに。
避けられた・・・というわけでもない。手ごたえはちゃんとあった。
私はただただ斬り続けた。人でなき者を。敵かどうかも分からぬ者を。
それは私が疲弊しきるまで、続けた。
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