運命(いま)を変える者(トリップ 石田落ち)

□ココハドコ?イッタイナニガ?
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ギィィン!!



なんかやたらワーワー言う声や金属音が聴こえてくる。



何が起こったんだろう。視界は真っ白。だから音だけ。



でも、なんだろう。なんか両腕がすごく重い。



何か押されてるような感覚がある・・・


(い・・・痛い痛い!!)




次第に感覚がはっきりとしてきた。



ふいに私の視界を遮っていたものがなくなった。



ああ・・・邪魔していたのは実守があの時とっさに投げたティッシュだったのか・・・



というか・・・現代の化学力ってすごいですね。



最近、4Dとかでたらしいけど、ここまで臨場感が出るってすごいと思う。



「あは、あははははは・・・」



なんて現実逃避をしていた。



それも仕方がない。



私の目の前には武将がいて、私は今その人とつばぜり合いをしていたのだから。



「!?Ah?なんだあんたは」



しかも伊達政宗。



相手は鎧を着て、防備しっかり。
対する私は制服(冬服)。ぬくもりしっかり。



・・・あきらかに死亡フラグが。



「いきなり相手が変わった?なんなんだ?あんた?」



どうしようどうしようどうしよう!!このままじゃ殺される!!殺されちゃう!!



(死にたくないよ!!!)



そう思った瞬間・・・私を押していた力が弱まった気がした。



周りの人がどよめいた。


「ひ、筆頭の六爪が!!」


相手の方を見ると、6本の刀がまるでやわらかくなってしまったかのように捻じ曲がっている。



はっ!しまった。能力を無意識に・・・



「あ・・・あの・・・ごめんなさい!!直すので、許してください!殺さないでください!!」



そう叫ぶと、私はその6本の刀に触れ、能力を使って直した。


「な・・・な・・・な・・・」



周りの人が驚いている。今だ!なおし終えると、私は全力で逃げた。



走るのもキライなのだが、これは絶対自己新記録だろうと思うくらい速く走れている。



「You wait!!待てよあんた!!」



知りません知りません私は何も知りません!!



しかし、伊達政宗は馬で私を追いかけてきた。馬の速さに勝てるわけもなく。



とうとう追いつかれてしまった。こうなったら仕方がない!!


「ごめんなさい!!しばらくすれば戻るから!」


私は馬に触れて「人が歩くよりも遅い鈍足な馬に。でも、数分で元に戻るように!!」と念じた。



すると、馬は急激に遅くなった。


「!?」


伊達政宗は驚いているようだった。
しかし、すぐに正気になり、


「捕まえるぞ!!」


声を出し、その兵たちが一斉に私に向かってくる。


私は森に入っていった。そして、いくつかの木に触れて


「曲がりくねって人一人通れない木に!!」


と念じ、そして森の奥へ行った。兵たちはついてはこれなかったようだ。


それに、私は心底ホッとした。
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