True(学園 落ち不明)
□ペットは飼い主に似ると言うじゃないか
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・・・正直言って、今でも信じがたい。
私が生きていること、彼らが普通の人間ではないこと(は知ってる)、そして―――
今、私の血が、吸われていること。それに抵抗しないこと。
「い、痛い痛い痛いってぇ〜!!」
「うるさい黙れ。」
あれから二日後。よくわからないけど今日は贋作が狩れる日らしい。
正直言ってあまり行きたくなかったが、逃げたらどうなるかを考えれば、自然と足が進んでいた。
とはいえ、出会い頭に挨拶もせずいきなり血を啜るか普通!?
「なんで私は気を失えないの!?私の意識よ舞えっ!!そして旅立てアグァルタへ!!」
「黙れと言っているだろうが!!」
普通(とは言いがたいけど)吸血鬼に噛まれるとおとずれるのは甘い痺れとか、快感の痛みとかっていうよね。
でもぜんぜん違う。氷結192度違う。真面目に野良犬に噛まれるのといい勝負だ。ただ、痛いだけ。
「私痛いの嫌いだよぉ〜!アイ ドント ライク ペイン〜!!」
「・・・今日はこれぐらいにしてやる。」
そう言うと、私の首筋から口を離した。チラッと首筋を見るとしっかりと吸血鬼に血を吸われた二つの穴がさらに大きく開いていた。
夜とはいえ見つかるとやばいので絆創膏を張りなおしながら聞いた。
「そいういえばさ、私が血の提供者になる前は、誰が血の提供者だったの?」
「・・・いない。」
「・・・え?」
「贋作の血を啜ったり死人の血を啜るぐらいだ。」
・・・そうか。
ずっと、三人で戦ってきたんだもんね。ほかの人間に頼るような人たちでもない。
きっと、辛かったんだろうな。
「で、でもさ!!これから先は私がいるから!!私の、生気に溢れた血を、ご堪能してよ!!」
「・・・ふん。」
顔をそらされてしまった。でも、頬の辺りが少し火照ってるのが見えた。さっきまで蒼白だったのに。
「血を飲んだからか、顔色がよくなったね。」
「・・・明日は今日の倍もらう。覚悟しておけ。」
「・・・うん?」
倍ってやばくないか?私の生命活動が・・・
「ご、ご堪能してもいいって言っても私の生命活動に支障が出ない限りだからね!?あんまり吸われたら死んじゃうよ私。」
「ならば貴様が死なぬように努力すれば良いだけの話だ。」
「・・・」
今日からレバーとひじきと牛乳が食卓に並びそうだ。