そのほかの短編(Ib『なにこれチャプチェ』追加!!)
□桜桃(サブマス)
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無事ギアステーションへと帰り着きました。
とは言いましても、私はほとんど何もしておりません。今回活躍したのは、クダリと、クダリ・・・いえ、行様でございます。
さすがにややこしゅうございますね。
あれほどまでに長時間戦っていたダブルトレインはぼろぼろで、しばらくは休行と相成りました。
・・・まぁ、このようなことがなくてもクダリは強敵と出会えば同じような惨状にはなりますが。
そして・・・行様はと申しますと、『とりあえずしばらくはイッシュリーグに挑戦するためにジムリーダーに挑みバッジを手に入れてくるとのことです。
そもそも行様はまだイッシュに来て3日と経っていないそうで、
今の手持ちもイッシュで捕まえて育てはじめたまだまだ未熟なものだとおっしゃってました。
それでも十分お強いのに、どこまでも謙虚な方にございます。
もともとシングルへの挑戦は考えてもいなかったそうで・・・私少しばかり悲しいです。
そんな私の感情を表情から汲み取ってくださったのか『次ここへ来たときにはすべて制覇するでござる』と言ってくださいました。
それはつまり、私ともバトルしてくださるということ。それはそれは嬉しいことにございます。
実は私、今からその日が楽しみで仕方がないのです。
なんとも堪え性のない幼稚な感情だというのは理解しているつもりではありますが、この強敵と戦える喜びというのは何者にも変えがたいのです。
きっと、クダリも同じ考えをしていましょう。
*****
「えーー!行、行っちゃうのー!?」
やっと事件が終わって行とバトルができるかと思ったらさっさとギアステーションを出て行こうとするんだもん!ひどいったらないよ!
「そうは申されても・・・拙者はもともと修行の一環でここに来たまでなのでござる。決して、物見遊山ではござらん。」
「そんなの、ここで鍛えればいいよ!せっかく20連勝したんだからボクと勝負して!!」
「いえ、そなたと戦うにはまだ拙者は未熟すぎる。
・・・先ほど、そなたと共闘して理解し申した。そなたは強い。なにより、ポケモンに信頼されておる。
まだまだ仲間にしたばかりのポケモンで凌いでいる拙者とは格が違う存在といっていいほど。
それを知りながら勝負するというのは拙者の誇りが許さないのでござる。」
それきり行は黙りこんで俯いちゃった。どうしても我を通すといわんばかり。
「・・・じゃあ」
「・・・?」
「じゃあ、行はどうしたらボクと勝負してくれるの!?
ボク、君ほど強い人、見たことない!ボク強い人大好き!だから・・・だから!!
ボクの傍に居てよ!!」
「!!」
思い切って言ったら行は驚いたように僕を見つめた。まるでそんなこと言うなんて思ってなかったみたいに。
行の鼻を明かせたみたいで少しだけ優越感、ある。
「・・・そ・・・
そ・・・それは・・・少し意味が違うのでは・・・?」
「・・・え?」
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