そのほかの短編(Ib『なにこれチャプチェ』追加!!)

□桜桃(サブマス)
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「クダリ!!大丈夫でしたか!?」



全員をデンチュラの糸で拘束した後、ノボリが来るのを待っていた。


「うん。大丈夫。」



「拙者は無傷でござる!」


あれ?なんでこの子まで反応したの?



「・・・おや、あなた様は・・・!」


ノボリが妙にこの子のことを知っているようだからビックリした。

ボクははじめて見る子なんだけど・・・シングルには挑戦済みなのかな?



「協力してくださったのですか?」


「うむ。見ているだけというのが苦手な性分であってな。助太刀させていただいたでござる。」


「そうでしたか。ご協力、感謝いたします。ユキ様。」



「?雪・・・とは?おおかみこどもはここにはおらぬぞ?」


・・・ん?


「・・・え!?ユキ様・・・ではないのですか?」


「うむ。拙者は雪とかいうのは存じぬ。」


なんだか話がこじれてきてるんだけど、大丈夫かな?



「・・・それでは、あなた様の名前は?」



「拙者は行(クダリ)と申す。」


「「・・・は?」」



「いや、だから行(クダリ)と・・・トレーナーカードにも記載してあろう?『行』と。」


「あ、あれでクダリと読むのでございますか!?」


前言撤回。どうみたってノボリもこの子と初対面だよ。

それにしても・・・ボクと同じ名前かぁ・・・


「然様。たしかにあまり知られてはいないので、無理もないのでござる。気に病まないでくだされ。」


行は心配を跳ね除けさせるように笑った。その姿がとてもきれいだったから、つい見惚れちゃってた。



ボクも、ノボリも。
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