小説 『ロザリア』

□一章 U
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愛しい人との別れ。

あの日、あの人と約束した。

生命の泉に沈み消えゆくあなた。

ずっと待ってる。

再び会えるその時を。

ずっと・・・

ずっと・・・



太古の昔。この地『レリス』には、人間の国『イオセク』精霊の国『ルラント』獣族の国『ローグ』が存在した。
魔法も栄え、人間は魔力を、精霊は魔術を、獣族は魔法をあまり使わない種族だったが魔力と魔術両方の力を持っていた。大地は緑豊かで、争いはなく、種族関係なく互いに交流も多く平和な世界だった。

しかし、文明が育つほど人々は木々を切り、自然を減らす。

その結果。世界はバランスを崩し、食糧難に陥り、砂漠や荒野へと大地は枯れていく。
その中、獣族から異質な双子が生まれる。
元々獣族は獣と人の間の存在、半獣人。しかし獣族は戦闘とはかけ離れた穏やかな存在だった。
異質な存在は、金の鋭い瞳、鋭い牙と爪が生え、血を求める生き物だった。
牢に閉じ込めていたが、年月が経つにつれてついに誰にも押さえつける事が出来なくなった。
そして悪夢のような出来事が起こってしまった。

一夜にして何万という数の獣族を殺戮し、滅ぼしたのだ。
血を求める悪魔のようなその存在は『魔族』と呼ばれ、次に人間と精霊を襲い始めた。
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