サンゾロ
□コトの仕方
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格納庫にカンテラを持って入っていくってことは、つまり…アレだ。
男は女と違ってこれまためんどくさいことに、溜まる。だが海賊船で生活する以上一人でヌける場所といえば、限られているわけで…その多くが格納庫で済まされている。
今日も代わるがわるカンテラを持って行き、事を済ませていた。
真夜中のキッチン。
そこには珍しく普段仲の悪い二人が向かい合わせで座っていた。
二人は、何を喋るでもなく酒を呑み交わしている。テーブルの中心には簡単な摘まみが置かれ、それを時々ゾロが食べている。
サンジはそれを見ながら、まるでそれを酒の摘まみにしているかのように呑んでいる。
「お前ってさぁ…」
ゾロがちょうど摘まみを掴んだところでサンジが口を開いた。
「…ん?なんだ?」
少しも表情を崩さず、相変わらずの仏頂面でゾロは聞き返した。
摘まみを口に運びながら。
ゾロがむごむごと摘まみを咀嚼したのを見届けると、サンジは決心したように告げた。
「…お前、ぶっちゃけ誰でヌいてる?」
ブホオォォォー!!
ゾロは盛大に口の中にあった物を吹き出した。もちろん目の前のサンジに。
「どぅ、わあああ!!!な、っにしやがる!!!」
「おめェが変なこと言うからだろ!!」
言い合いながらもお互い顔、口元を布巾で拭いている。
「で!!どうなんだよ!誰だ!」
「んなん誰でもいいだろーが!!」
唾を飛ばしながら言うゾロ。
それをウザそうに見ながらもサンジは
「いやー、お前さ…俺たちよりも使うの多いじゃん。そんなに誰でヌいてんのかなーって、…ま、好奇心だな」
「…ふーん」
以外だった。この男は女にしかまるで興味が無いと思っていたのだが。
ゾロは「健全な男子だったんだな…」と思った。正直同年代なのでこういう話をしたいとゾロも思ってたりいなかったりしていたので普通に嬉しいのだ。
そんなことを思ったりしてゾロは言った。
「特にはいねェな」
すると突然目の前の男は火が着いたように喋り始めた。
「なんだとー!!!?んなわけねェだろォがぁあ!!誰かはいるだろォが!嘘つくんじゃねェ!このクソマリモ!!」
キャンキャンうるさい。
――前言撤回、やっぱり全然嬉しくねェよ。ホント、誰かこの子犬黙らせてくれ…。
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