風景-scenery-

□積乱雲カプリシオ
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チャイムが鳴る。

メガネの号令であいさつをし、勢いよく鞄をかついだ。


「行くぞ総悟」
「んぁ…あれ?もう終わりですかィ?」

いつの間にか寝ちまったのかぁ、とか言いながら机の上を片付けて鞄を持つ。

「近藤さんは?」
「掃除当番」
「げ。土方おめー手伝ってあげろよ、友達だろ?」
「じゃあ総悟は一人で帰るのか?」
「・・・」

そこで反論してこいよ!
とは思うがあえてツッコまずに「行くぞ」とだけ言って教室を出る。



帰り道、銀八が各自何係になりたいか決めておけと言っていたことを伝えると、総悟はあからさまに面倒くさそうな顔をした。


「おばけも装飾もメンドくせぇから適当に景品作って渡しまさ」

「そっか。俺もそうしようかなぁと思ってんだよ。お前にあんなこと言われたしな」

「はぁ?ウソでさァ。アンタはアンタで好きなことやりなせェ。俺と一緒じゃなきゃダメなんですかィ?」

「それはオマエだろ。じゃあ俺がおばけやるって言ったら?」

「無理無理。土方さんにキャーって言った客にキャーって言ってアンタ失神しますぜ」

「よっぽどだな」

「だから土方さんは俺が一緒に景品やってやらねえとダメなの。わかりやしたか?」

「わかったよ」


満足げに笑う総悟。

生意気なクセに可愛くて、こんなやつが俺の隣にいていいものかと自分の幸福をかみしめる。
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