風景-scenery-
□積乱雲カプリシオ
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9月も半ば。
そろそろこの銀魂高校でも文化祭のシーズンだ。
「ハイ、じゃあそーゆーことで、ウチの出し物はお化け屋敷に決定な」
「センセー、客が来なかったらどうするアルか?ずっと休憩アルか?」
「オマエお化け屋敷ナメんな?どこの遊園地行っても大体お化け屋敷とジェットコースターは90分待ちとか言われんだよ」
「でも私モノホンのおばけとか見たことないヨ。真に迫ってないお化け屋敷には人が来ないと思うネ」
「言っちゃったよ、始める前から言っちゃったよ。それにアレだ。もしアレなら土方がこう…なんとかしてくれる」
「なんで俺!?」
「そうでさァ。土方さんはお化けが怖くて仕方がないから、きっとシフトの時間も出口で景品配るくらいしかできませんぜ」
「あながち間違ってねえから言い返せないのがムカつく!!」
みんなの前で墓穴を掘ってしまった自分を叱責しつつ窓の外を見る。
もう秋だと言ってもいい暦に逆らうように、大きな積乱雲がその存在を主張していた。
眩しい太陽に目を細める。
スズメが2羽、仲良さそうに飛んでいった。