風景-scenery-
□積乱雲カプリシオ
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家について荷物を置き机に向かう。
宿題は早めに終わらす主義だ。
しかしここでいつも邪魔が入る。
「土方コノヤロー俺にミサンガの作り方を教えやがれ」
「他に言いようがねえのか」
「土方はん、うちにミサンガの作り方教えてくれまへん?」
「もういい、わかったから」
「なんでィ、アンタがやれって言ったんでさァ」
「言ってねえな」
「はあ!?言っただろィ?」
隣の家に住んでいる総悟は庭をつたって室外機の上の窓からうちに侵入してくる。
勝手に人の部屋に入っておきながら、言った言ってないとくだらない言い争いを繰り返す。
「…もういいでさ。で?何の用です?」
「それはこっちの台詞だバカ」
「アンタぁ、一体全体いちにちに何回俺をバカにしたら気が済むんですかィ?いい加減にしやがれ死ね土方」
「おめーがいちいちバカだからだろ死ね沖田」
「バカって言うそっちがバカなんでさァ」
「今バカって言ったからお前がバカ」
「ハイ、土方さんざんねーん。今バカって言ったー」
「だからバカだっつてんだよ」
「あら、負け惜しみですかィ?」
「はいはい。なんも惜しむことねえけどな」