風景-scenery-

□このこ ねこのこ このこね こねこ
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真夜中、やっと仕事を終わらせて伸びをする。
あれからずっと部屋に籠ってたから、総悟に会ってない。
もう寝てるかもしれないと思いつつ、昼間遊んでやれなかったからと部屋へ向かう。

「総悟?起きてるか?」


ビクンッ


中の空気が怯えたものに変わった。
やがて小さな声が返ってくる。

「こねえで…来ねえで下せ…」

来ないで、と言われても状況が掴めない俺はそのまま襖に手を掛ける。

「嫌だ!開けるな!帰れ!」

そこまで言っても俺が入ってくるのはわかっていたのか、襖を開けたと同時に布団に潜り込む姿が見えた。
てっきり何か茶を溢したとかそんな事だろうと思っていたので、本人が隠れて少しびっくりだ。

布団に近づきその場でしゃがむ。

「総悟?」
「来るなっつってんのに…」
「具合でも悪いのか?」
「ちげーよ」
「じゃあ何なんだよ」

布団に手を掛けると、中の総悟は本気で暴れだした。
それでも無理矢理ひきはがす。
猛烈に怒った顔の総悟とガッツリ目が合った。
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