風景-scenery-

□あけました おめでとう
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「さてと、何おねがいすっかな」
「今年もマヨネーズがたくさん食べられますように。あと煙草の値段が上がりませんように」
「またソレですかィ。アンタどこ行ってもソレばっかじゃねえですか。たまには別のお願いもとか…」
「総悟が俺のモノになりますように」
「あ?」

変な声が出た。
今このヒト何つった?

「今年こそ総悟が俺のキモチに気付きますように」
「…土方さん?」

訝しげに眉を寄せて顔を覗き込むと、スカした表情で片目を瞑ってみせた。

なんだコイツ。
わけわかんねェ。

「ホラ、お前もさっさとお願いしろよ。おいてくぞ」
「え?ああ…へィ」
「何ぼーっとしてんだよ」
「何って…」

あんな台詞聞いてボーっとしていられないワケねえだろ!!

「…今年も皆が幸せでいられますように」
「お前ってこういう時はマトモなお願いごとすんのな。それとも他に思いつかなかった?」
「バ、バカ言いなさんな。心の底からそう思ってるんでィ」
「本当かなー、今ドモったしなー」
「馬鹿、クソ土方、死ね、ニコマヨラ」
「おいおい…ここ境内だぞ」
「うっさい変態」
「変態ィ?」

今度は土方が眉を寄せる番だった。

「んで俺が変態なんだよ」
「なんででも」
「訳わかんねェ」
「ハッキリ言ってくれりゃいいのに…」
「は?」
「だからっ…俺のコト…好き…なんでしょ?」
「ああ、うん」
「軽ッ!!何ソレ!?やっぱムカつく!!」
「あっ、オイちょっ、待てよ!!」

何度かこけそうになりながら階段を駆け降りる。
踊り場で立ち止まり振り返ってみると土方さんは真剣な顔して走ってた。

「…んだよカッコ良いじゃん」


明けちゃいやしたね おめでとう

今年もヨロシク 土方さん



END
『あけました おめでとう』
(今年もよろしく?)(永遠によろしく)
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