風景-scenery-

□あけました おめでとう
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それから暫くジッと貰った年賀状を眺めていると、土方さんがいそいそと出掛ける準備をしはじめた。

「土方さん?ドコ行くんですかィ?」
「初詣。お前行かねえの?」
「行かねえのってったって今じゃどこの神社も大混雑ですぜ?」
「俺イイ穴場知ってんだよ。ここの裏にちょっとした山があんだろ?そこの上の方にちっせえけど神社があんの見つけたんだ」


いかにも人の来なさそうなさびれた石階段を上り、小さな神社の境内につく。
なるほど、誰も来ないはずだ。
すごく寂しい所。

「なんか…出そうですねィ」
「ん?あー、まぁ、そうだな」

考えてもみなかったってかィ。
今年の土方さんは随分と機嫌がいいとみた。

「土方さん、俺いきなりだったんでさいふ持ってきてねえんですけど、五円玉ありやす?」
「あー…ない」
「え?アンタ色々準備してたじゃねーですかィ。当然お賽銭用の金も用意して…」
「わかんねえ奴だな。オメーにやる金はねえっつってんだよ」
「はぁ?」

なんだ?
やっぱり不機嫌なのか?

「俺たち二人合わせて五円。十分だろ」
「…ケチ」

びっくりさせんなバカ土方。
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