舞台-theatrical-
□息が止まるほどに
1ページ/5ページ
頬に付着した血を拭う。
自分の周囲に散らばった死体を一瞥し、刀を鞘に納める。
顔を上げて走り出す。
目指す先は、みんなの所。
足が重い。
息があがる。
腐り始めた肉の塊がむんとした匂いを放っていた。
なんとなく、なんとなく嫌な予感がした。
自分の予感が当たってしまうという予感が。
「隊長!こっちです!副長が!!」
大きく手を振り声を張り上げる隊士たち。
その顔は真っ青で震えている。
土方さんが?
「総悟!!トシが!!トシがぁ!!」
涙でくしゃくしゃになった近藤さんの顔。
立ち止まった俺が目にしたのは土方さんの