舞台-theatrical-

□甘いお菓子はいかが?
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「えーっと、まずは…水105mlに砂糖15gね。カンタンカンタン」

軽量カップで105mlを計り取り、ボウルに流す。
英語は得意な方ではないけど、砂糖がsugarだということくらいは分かる。
saltとsugarが並んで置いてあるのに少し戸惑ったが考えればわかる事、間違えずに入れる。

次は白玉粉。

「ふむふむ。白玉粉と?…上新粉…?」

何だソレ。

聞きなれない単語に首を傾げる。
辺りを見渡しても、らしき物は目に入らない。
そうだ。
こういう時はアイツに聞けばいい。

「ザキー!!ちょっと台所!!大至急!!」

大声で呼べばすぐに飛んでくる。

「何ですか?こんな時間に…って沖田さん!?ちょっと!!」
「何でィ、急にデカい声出して。ビックリするじゃねえかィ」
「何ってこっちがビックリですよ。なんでこんなに汚いんですか台所」
「は?」

言われてみれば汚い。
開けた戸棚は開けっぱなし。
使ってもいない醤油の小ビンも、倒れて中身を晒している。
ブツブツと文句を言いながらそれらを片付けにかかる山崎の襟首を掴み引き戻した。

「いいんだよソレは。また汚れるんだから。それよりお前さ、上新粉どこにあるかわかるだろ?」
「はい?」
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