舞台-theatrical-
□冬の悪戯
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「土方さーん!!ひーじかーたさーん!!」
遠くで俺を呼ぶ声がする。
あまりにもしつこいので仕方なく部屋から出て声のする方へ歩いて行った。
「なんだよ」
「あ、土方さん。ちょっとコレ、触ってみてくだせェよ」
そう言って差し出されたのは謎の黒い棒。
「何コレ」
「いいから、ホラ」
「は?なんで?」
「早く!」
右手を掴まれ無理矢理握らされた。
バチッと強烈な電流が走る。
「ッ!!」
「あ、キやした?」
何やらニヤニヤして俺の顔色を窺う総悟。
「んなんだよオマエ」
「エボナイトでさァ」
「エボ…?何?」
「さぁ」
「さぁって…でなんでソレを?」
「土方さんって紙ばっか弄ってんじゃねえですか。だから静電気バチコンって」
「馬鹿かお前。危ねェから置いてこい。つかんなモンどこで手に入れたんだよ」
「拾った」
「落ちてたのか!!」