舞台-theatrical-
□甘えてごらんよ
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廊下を歩きながら 今日はどこでサボろうか、などと考えていると
ギュルルルル…と腹が嫌な音をたてた。
痛みも増しているような気がする。
「腹こわしたかな?」
とりあえず便所にでも駆け込んでみるか。
が、下腹部をキュウっと締め付けられたような痛みにうまく足が進まない。
「んんん…痛ェ」
思わず腹を抱えてしゃがみ込んだら、タイミングがいいのか悪いのか、正面の角を曲がって山崎がやってきた。
廊下の何もない所で丸くなる俺にビックリしながら駆け寄ってくる。
「沖田さん?何してるんですか?こんなところで」
「や…ざき…」
自分でも驚くほど声が出なくて困惑する。
山崎もさっきより心配そうな表情になり、俺の背中に手を添えてきた。
「どこか痛いんですか?おなか?」
「う…もう、大丈夫…」
うずくまっていると痛みは遠のくもので、俺は山崎に手を借りながらも立ち上がり自室へ戻った。
心配症の山崎が持たせてくれた薬を飲み、布団を敷いて横になる。
まだ朝だというのに、俺はどんどん夢の世界に引きずり込まれていった。