舞台-theatrical-
□甘えてごらんよ
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あー、たりィ。
早朝からの隊長会議。
なにもこんなに早くから、とか思いながら欠伸を連発していたら土方さんと目が合った。
冷たい視線が「だらしねえな」と言ってくる。
気付かなかったふりをして目を逸らした。
あれ、なんか腹痛ェかも。
暫くぼーっとしていたら、周りの奴らが立ち上がり外へ出始めた。
やっと終わったか、なんて小さく溜め息をつき自分も立ち上がった瞬間―
ふらり…
突然の眩暈が俺を襲う。
「う…」
なんとか踏ん張って体勢を整えたが、俺と同時に立ち上がった土方さんは驚いた目でこちらを見ていた。
「おま…大丈夫か?」
「…大丈夫でさァ。足が痺れただけでィ」
何故か強がる俺。
「ふぅーん」
キュッと細められた疑いの眼。
俺は背を向け部屋を出た。