舞台-theatrical-

□夏とプールと花火と総悟
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プールサイドに立った俺と山崎と近藤さん。
ここで総悟がいないことに気付く。

「あれ?総悟どこいった?」
「さぁ、近藤さん一緒じゃなかったのか?」
「いや?知らねえな、山崎は?」
「スイマセン、知りません」

はぁーっと三人で溜め息をつく。
いつものことだ、総悟の逃亡は。


突然、いちばん大きなプールから水柱がたった。
飛沫をモロに被り、まだ中に入っていないのにびしょ濡れになる。
こちらに向かってくる二つの影。

「総悟っ!?」
「と、万事屋のチャイナさん!?」

俺は二人分のり跳び蹴りを喰らって生命力が3下がった。


「あれ、土方さん。こんなトコで何してるんですかィ?」
「何してるはテメェだろ!!勝手にウロチョロすんな!!」
「あれー?大串くんじゃん。なーんだ、せっかく貸切状態だったのに」
「お前ら…」
「ねー、思ったんだけどさぁ、ソレ、そのうきわと上着、何?」

万事屋の指さす方を見るとうきわを抱えた総悟の姿が。

「何って…何?」
「いやだからぁ、まぁうきわはイイとしてさ、なんで上きてんの?しかもご丁寧にチャックまで閉めて」

確かに、今の総悟は海パンの上にタオル地のパーカーを羽織っている。

「しかもォ、そのままプールってあり?サイドならまだしも」

まぁコレには深〜い訳があるのだが。

「旦那、じゃあ逆に聞きやすがダイバーのアレ、あの上のスーツ、何のためにあんの?」
「え?ああ、着てるね。…なんでだろ」

答えられねーのかよ。

「それと同じでさ」
「あ、そなの」

いや、違いますけど。
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