舞台-theatrical-

□夏とプールと花火と総悟
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「え?マジで?トシも行きたくなっちゃった?」

困惑する近藤さんが じゃあ一つだけ条件、と言って指をたてる。

「総悟。やっぱ海はダメ。プールにしなさい」
「え?…なんで?」
「だぁって海日焼けすんじゃぁん。ヒリヒリじゃぁん。黒くて痛いのヤじゃぁん」

身体をくねくねさせて説得する近藤さんに勝ち目はないように思えたが、何故か総悟は言い返さない。
不思議に思って目をやると苦虫を噛み潰したような顔をしている。
そして恐る恐るといった感じで口を開いた。

「黒くて………何?」
「え?だからぁ、黒くて痛いのヤじゃ…」
「ギャャァアアァァァ!!イタイの!?海が!?キライ!海キライ!!プール!温水プールがいい!!」


図らずも総悟をプールへ押しやった近藤さんは悪そうな顔をしていたが、俺は少し安心していた。

だぁって黒い総悟なんてヤじゃん。
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