風景-scenery-

□このこ ねこのこ このこね こねこ
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「にゃーにゃー、土方さん、にゃー」
「あーもう、うるさい。なんなんだよさっきから」

半ば不機嫌気味に返事をして振りかえると、総悟は明らかに機嫌を損ねたようで強烈な猫パンチを喰らった。

「あだっ、何すんだよ。仕事の邪魔すんなら出てけ」
「アンタって人はホンット馬鹿でさ。もう呆れやした。そして飽きやした」
「は?」
「ハイハイ、出ていきますよーだ」

襖の前に立ってイィーッと口を広げると出ていった。

本当にワケの分からん奴だ。

さっきまで総悟が居た所に目を落とす。
散々ゴロゴロしたらしく、畳には明るすぎる色の毛が数本散らばっていた。
一本拾う。
くたりと弱々しく、そして細く、キラキラと光るそれはまるで猫の毛のよう…

「そういやアイツさっきニャーニャーうるさかったな」

チラリ、カレンダーに目がいく。
ああ、そうか。

今日は2月22日。
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