舞台-theatrical-

□夏とプールと花火と総悟
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夕食をとり、自室へ帰る途中。
俺は必然的に近藤さんの部屋の前を通る。


「ねっ!海行こ!海!俺、海、見てみたい!広いトコで泳ぎたい!」

局長にあるまじき台詞が聞こえ、思わず足を止める。
総悟の声だ。

「いやでもォ、うーん…トシがなんて言うかなぁ」
「土方さんなんて来ない方がいいでさ!ねっ!ホラ、行こ!」

俺は近藤さんを助ける為と託けて、総悟を小突く為に中へ入った。


「あっ、土方さん!あのさ!海!海行こ!俺もうハタチ!海見たことない!これヤバイ!」
「年齢サバ読むな」

そこで俺は考えた。
俺が行くっつったらコイツ嫌がんじゃね?

「うーん、海?そぉだなー、俺も行きたいかなぁー」

チラリと総悟を盗み見る。
と、パァっと陽が差したような表情をして俺に飛びついた。

「やったぁ!!土方さんやっぱアンタはいい人だ!もうこの際お嫁さんになってもいい!!」

あれ、完ぺき見誤ったなコレ。
すまん近藤さん、俺には総悟の心が読めねえ。
そしてコイツは嫁にもらう。
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