風景-scenery-
□Happy Fruits!!!
1ページ/6ページ
目覚ましが鳴る。
まだ眠いから消してまた寝た。
あと10分もすれば新八が来て、嫌でも起きなきゃいけなくなる。
思っている間に扉がガラリと開いた音がして、元気なおはようございまーすが聞こえてきた。
窓が開け放たれ布団を剥がれる。
「銀さんいつまで寝てるんですか。起きて、神楽ちゃんも」
「んあー、新八早いアルなー。早起きは三文の得アルよ。オハヨー銀ちゃぁん」
「んーハヨー」
いつも通りの朝。
たまごかけご飯を食べ、定春の散歩に行き、一人でパチンコ屋に入り浸る。
昼時になって何かラーメンでも食べたくなって道をぶらぶらしていると、公園の横の駄菓子屋で見覚えのある人影を見つけた。
近づいて声をかけようとした時、ちょうど会計が終わって振り返ったそいつと目が合った。
「よっ」
「あ、あだ、旦那ァ!」
「どうしたの?」
「い、いえ、別に、なんでもありやせん。ちょっと、ビックリしただけでさ」
彼には似合わない挙動不審っぷり。
理由もないのにあんなに驚くことだろうか。
俺が駄菓子屋に来るのは百も承知なクセして。