短編
□きみは僕のものだよね?
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「はぁ……何処行ったんでしょう………」
「なんかあったの?」
十番隊隊舎にいた。零番隊副隊長・藤咲翠と十番隊隊長・日番谷冬獅郎とその副隊長松本乱菊と一緒にいたのだった。翠は書類を渡しに十番隊に来ていたのだった。そして一人足りなかったのだ。
「そう言えば、最近碧樹さん見てないわね……」
「そうなんだよね……なんかここ二日見てないんだよね」
そう零番隊隊長・水渓碧樹が行方不明だった。この二日間誰も碧樹の姿を見ていなかったのだ。何処を探してもいない。誰に聞いても見てないと言う人ばかり。
「現世は見に行ったの?」
「そんな私が現世に行けるわけないじゃない」
「そう言えば、そうだったわね……」
零番隊副隊長は現世には総隊長の許可がなければいけないと言う理由があった。だから中々勝手には現世には行けなかったのだった。だから碧樹をすぐに探すことは出来なかった。
「何処行ったんだろう……」
「無事だといいんだけど……」
そう二人は考え込んでいたら、日番谷が机で書類をやっているのを止めて、そのまま立ち上がって、十番隊隊舎を出ようとしたのだった。それを呼び止めたのは、乱菊だった。
「あれ?隊長ぉー!何処行くんですぅ?」
「散歩だ」
日番谷はそう言って、十番隊隊舎を出た。
「ほんと、すぐにバレるよな……」
日番谷はそう歩きながら言った。そして日番谷が向かった先は、自分の部屋だった。そして扉をあけたら、そこにいたのは碧樹だった。
「ただいま、って言ってもすぐに戻るけどな……」
日番谷は、部屋に入ってすぐに碧樹の方に近づいていった。だけど碧樹は後ろに下がっていった。でも後ろは壁があって逃げることが出来なかった。
「ひ、ひっつー……」
「そんな怖がるなよ」
日番谷が碧樹の頬に手を伸ばそうとしたら、碧樹は日番谷の手を思いっきり払った。
「いやあぁぁああぁ!!!!来ないでっ!!」
泣きながら、碧樹は叫んだ。だけど日番谷はそれを許さなかった。日番谷はそのまま手を伸ばして、頬に手を当てて、ス――ッと撫でた。碧樹はビクッと反応した。
「ど、どう、して、……」
「どうしてって?そりゃ……お前は俺のだからだよ………」
日番谷はそう言って、碧樹の前に座って、手を碧樹の顎に取って顎を持ち上げて、こう言った。
「愛してる。お前は俺の物だ」