日常編
□Prologue
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ふわふわと浮かぶ感覚がして目が覚める。
『ん…』
「お。起きたか?」
『あれ、私…?』
「広間のソファで寝てたぜ」
あぁ、うとうとしてて、そのまま寝ちゃったんだ。
白い歯を見せて笑いながら私をお姫様だっこ状態で運ぶ見慣れた長身の男。
何故お姫様だっこ…。
ていうか
わざわざ運ばなくても、その場で起こしてくれればよかったのに。
『ねぇ、降ろして』
「やだ」
『やだって…』
「そーいや、りく。九代目のじーさんが呼んでたけど」
『九代目が?』
「ん」
『そっか…』
「…ついてこーか?」
『ううん…大丈夫』
きっと、あの事だ。
“あの人”の言うとおりなら私は…――
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