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□素直に言えない
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最近の応接室では、もはや日常となりつつある光景がある。






バンッ


『恭弥!』


「…せめてノックくらいしなよ」



今応接室のドアを勢い良すぎなくらいに開け放ったのは、僕の幼なじみの月咲葵。

最近、何故か風紀委員会に入れてほしいと騒ぎだして、ここ一週間くらい応接室に来なかった日はない。




僕が言うのもなんだけど、彼女は容姿はいい。

得意科目は体育で、運動神経は多分クラスでもずば抜けている。
さすがは僕の幼なじみだね。


…筆記試験の成績は平均より下らしいけど。




『今日こそ委員会に入れてもらうよ!』


「…何度言ったらわかるんだい?君を入れることは承諾できないよ」


『なんでさ!?』


「なんでもなにも無理だよ。頭の悪い君には無理。」


『あ!二回も無理って言ったな!?』


「大事なことだからね」


『なんだとう!?』



まぁ、葵を風紀委員にしたくない理由は他にもあるんだけど。




そんなことを考えている雲雀と葵のやり取りを見て、同室で書類整理をしていた草壁は、気付かれないようにそっとため息をついた。



「(また始まったか…。委員長も素直に理由を言えばいいものを…)」



こんな草壁の思いなど露知らず。

葵と雲雀は未だに口論を続けていた。




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