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□あの子は天使
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『おいこら剣介!』
「な、なんだよ」
『最近、京子にちょっかい出してるみたいじゃない!』
「なっ、別に葵には関係ないだろう」
『あるっ!大アリだ!!』
持田剣介の幼なじみである月咲葵。
彼女は1年A組の学級委員長で、笹川京子や黒川花と仲が良いのだが…。
『私の京子に手出すなんて10年、いや、100年早いわっ!』
「いつからお前のになったんだよ!?」
『そんなの、私が京子に出会った時に決まってるだろう!』
「意味わかんねぇよ!大体性別がおかしいだろう!」
『えぇい、うるさいわ!とにかく私の可愛い可愛い可愛い可愛い京子に手出したら許さないんだからっ!』
びしっと持田に指差してそういう葵は、まぁぶっちゃけ顔よしスタイルよし頭脳よし運動神経よし、のいわゆる才色兼備。
昔は持田もこんな幼なじみに惚れていたものである。
………昔は、だが。
え?なんで“昔は”なのかって?
彼女は昔から思ったことを素直に率直にオブラートに包むことなく言う性格なのだ。
……いろいろあったんだよ。by持田
「葵ちゃーん!」
『あっ、京子!』
「よかった、会えて。今日ハルちゃんと花と一緒にラ・ナミモリーヌに行くんだけど、葵ちゃんも行かない?」
『えっマジ!?行く行く!』
「あ、でも持田先輩とお話してた?」
『ぜーんぜんっ。ただ宣戦布告してただけだよ』
「宣戦布告?」
首を傾げる京子。
うはぁ、やっべ、可愛すぎるだろ!
『ん、ちょっとね。っていうか、京子。剣介なんかとあんまり話しちゃダメだよ?』
「え?」
「なっ、何を言ってる!」
『そんなことして、天使のような京子に変な性格うつっちゃってもダメだし』
「もう、葵ちゃんたら〜」
変な性格というのに対しては何もつっこまないあたり、京子もそう感じていたらしい。
クスクス笑う京子に葵はデレデレである。
……ちなみに一応確認だが、月咲葵の性別は女だ。
あぁ可愛い。
癒しだよね癒し。
花は美人だしハルも可愛いし。
葵が、もしかしてこれハーレムじゃね?なんて考えていることは幼なじみの持田のみが地味に察していた。
『ってことで、ケーキ食べに行こっか』
「うんっ!」
『あ、ついてくんなよ変態ストーカー』
「誰が変態ストーカーだっ!っておい、無視していなくなるな!!葵ーーーー!!!」
可愛い子は私の正義
(いいの?葵ちゃん呼ばれてるよ?)
(え?私には輝く京子以外見えてないよ☆)
(もう、葵ちゃんたら)
(葵ーーーーー!!!)
(うるせぇ変態ストーカー!)
(っ!!)
end