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□世界に一つのプレゼント
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電話の呼び出し音が続く。
しばらくしてから留守番電話に切り替わり、あたしは今日何度めかわからないため息をつく。
『やっぱり、忙しいのかな…』
留守番電話に残すことはせずに、携帯をベッドに放り投げた。
今日は9月9日。
あたしの恋人、隼人の誕生日だ。
とはいっても、時刻は既に午後11時半を過ぎている。
本当は会ってお祝いしたいけど、日本にいるあたしがイタリアにいる彼に会えるわけもない。
だから、せめて声を聞ける電話でって思ったんだけどな…。
『仕方ない、よね…』
そう呟いて、ボフンと枕に顔をうずめた。
♪〜
『?…メール?』
その時、メールの着信音が鳴り、うずめていた顔を上げて携帯に手を伸ばした。
画面を見て、思わず声が漏れる。
『え…』
なんと、そのメールの差出人は隼人だった。
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