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□盗難
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並盛中屋上――



『獄寺隼人!何度注意すればわかるわけ?煙草吸うなって言ってんでしょーが!!』


「あ?…っせぇな。てめぇに関係ねぇだろ」


『風紀が!乱れるの!!』



あたしだから厳重注意で済んでるけど、お兄ちゃんに見つかったらもっと大変なんだから!



「チッ」



獄寺はしぶしぶ、といった様子で煙草の火をもみ消した。



「これでいいんだろ?」


『よろしい!』



上から目線で言ってんじゃねー、とかなんとか。

獄寺はあたしに向かってなんか言っていたけどそこは無視。



『ところでさ』


「んだよ、雲雀。まだなんか用あんのか?」


『ちょっと質問が。てか、雲雀ってお兄ちゃんとかぶるから葵でいいよ』


「…んで?何だよ」


『最近、並中内で盗難が多いんだけどなんか関わったりしてないでしょーね?』


「は?」



あたしのお兄ちゃん、もとい雲雀恭弥は並盛中学の風紀委員長。


そんなお兄ちゃんに言われてあたしは風紀委員になったわけだけど

結構仕事多くて大変だったりする。



今あたしは盗難数が増えてきてる問題の解決のために巡回と調査をしていた。


『どーなのよ』


「んなめんどくせぇことしてねーよ」


『…そう』



とりあえず信じておこう。

嘘は誰にでもつけるけど、違うと言ってる人をむやみに疑いたくはない。



「おい、葵」


『何?』


「一応言っとくけどな。オレは人のモンに手ぇ出すような せこいことは命にかえてもしねーよ。これは神にでも誓えるぜ。」



真剣な顔でそんなことを言う獄寺に、あたしは少し驚いて、目を丸くした。




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