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□好きなもの
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私には好きなものがたくさんある。


学校の屋上でフェンスにもたれながら私は一人、物思いに耽ていた。




友達、家族、お菓子作り、買い物、音楽聴くこと、購買の焼きそばパン、マンガ、スポーツも好きだし


それから…



自分の好きなものリストに載っているもう一つの名前をこっそり呟く。



『武…』


「ん?呼んだか?」


『のわぁああ!?』


「ははっ、すげー声だな!」


『い、いいい、いつからそこに!?』


「んー、ついさっきだけど。なんか風に当たりたくてなー」




し、心臓に悪いよ!!

一人だと思って完全に自分の世界にいたよ!!!



今私の目の前にいる男子生徒・山本武はクラスメイトで

私は彼が所属している野球部のマネージャーをしている。

故に、わりと仲が良い。



「月咲はオレに何か用事あったんじゃねーのか?名前呼んでたし」


『え!?いや、なんでもないよ、うん!』


「?」



あからさまに挙動不審な私を、頭に?を浮かべて見る武。


そんなに見ないでくれ!

さっきまで考えていたことを思うと、顔がどんどん熱くなる。


だって考えてたことバレたら私の好きな人がバレるわけで。


好きな人がバレるってことは

こっ、ここ、告白しちゃうってことに………っ!




一度こっそり深呼吸をしてから、私は平静を装って武に話しかけた。




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