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□その想いは昔から
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『あっ、あった!』


「は?」




ある休日。


幼なじみの葵の家でくつろいでいると急にそんな声をあげるものだから


何かと思って顔を上げると葵が満面の笑みでこちらを見ていた。




『ほらほら綱吉!見てよこれっ!』


「これ…って?」



葵が差し出したものを見るとそれは




「ミル○ーの包み紙…だよね?」


『うん!』





嬉しそうな顔をしている葵と不思議な顔をしているオレ。




何が言いたいのかわからず、再度首を傾げる。



オレのしぐさを見てか、葵が目を丸くしてオレを見た。




『綱吉、知らないの?』


「何を?」


『ミ○キーの包み紙に、このマークが10個あるのを見つければ、願い事が叶うんだよ』


「へぇ」


『結構有名な話だけどなー』


「オレ、あんまり○ルキーとか食べないから」


オレは嬉々として包み紙を見つめている葵に聞いてみた。




「葵は何をお願いするんだよ?」


『ん?』


「それ、10個あったんだろ?」


『あー…』




葵は包み紙に目線を落としてからオレを見つめた。



真剣な眼差しにドキリとする。





『私、好きな人がいるの』


「え!?」


『だから…その人に想いが届きますようにってお願いしようかな!』


「……」




オレは照れるように笑う葵を直視できなくなった。






葵…好きな人いるんだ。





オレ、最低だな…

その願い、叶ってほしくない。



そう思わずにはいられなかった。





だってそれが叶ってしまったら




…オレは失恋してしまうから。




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