長編

□鬼が笑う
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「たでーまー 銀さんが帰ってきたぞー」


ガラガラッと昨夜も壊れた玄関の引き戸を開けて家主が帰ってきた


そのまま居間に入ってきた銀時に寛いでいた3人がそれぞれ、訝しむような憎むような表情で見返す。



「…おいおい 3人揃ってなんつー顔してんの? つーか仲良くなったんだ。…じゃなくて なんか言ってくんない??なんでずっと無言なんだよ!!」




「あぁ すみません銀さん。なんか意外な格好だったんで 朝から何処に行ってたんですか?」



…時刻は午前11時30分

朝から置き手紙と高杉だけを残して万事屋をでていた銀時は今


何故か白の戦装束に鉢巻き そして真剣を腰に帯びた出で立ちでいるのだ。


銀時が返答につまり頬をかいていると高杉が横槍を入れる



「ずいぶん久しぶりだねぇ..白夜叉様、お使いはできただろーなァ?


  …しかし、懐かしいねェ。つーかちょっと変じゃねーか…銀時、太ったのか?」



「ったく自分で用意しといてよく言うぜ。
まぁ もともと真選組にはオメーのせいでバレてるから話つけてあるし…仕事の方は簡単だったよ。」



久しぶりの戦装束に少々ぎこちないが、いつも通り長椅子に寝転び頭の下で手を組む様子はなんとも妙で、子供2人を戸惑わせる



「それって銀さんが戦争中に着ていた服ですよね… 餌って…誰かをおびき出すつもりなんですか?」



「銀ちゃん本当に真っ白アルナ それに香水?みたいな匂いするヨ…」




神楽の発言に若干取り乱した様子の銀時は冷や汗をかきつつ弁明する



「この服はレプリカねっ!ホラこいつボンボンだから…記憶力で作ったらしいよ!!香水は..イヤ 本当に真面目にお仕事してきただけだから!!正確には…」



ここで一旦言葉を切り、立ち上がって2人の元へゆき、高杉に向かって軽く会釈をする。



「大物攘夷志士..高杉晋助様のご依頼を我等万事屋がお受けいたしました…
依頼内容は 京の反乱を引き延ばし、東の城を崩した上で
…新しき空へ門扉と空飛ぶ黒幕を撃ち落とせと。協力して下さるのは鬼兵隊の皆様と春雨の方々ですね。必ず達成できるよう、全力を尽くさせていただきます」



「春雨が仲間ッ!?バカ兄貴は一体何する気アルカ?」



いち早く反応した神楽に高杉が旧き姿の銀時を見ながら答える



「神威の野郎かァ? 銀時、テメー厄介なもんに惚れ込まれたなァ…お前と戦うための条件がこの依頼達成さ。…お前やんなァ俺だ。わかってんだろーな?」



白い銀時は服を汚さないよういちご牛乳をストローで吸いながら呆れた顔をする。



「いや…オメーの獲物でもねーし 神楽の兄貴にやられるつもりもねーよ。神楽…オメーの兄貴の事はテメーらで片付けられるな…?」



「ふんっ 当然アル!!バカ兄貴を取り戻してみせるネ!」



控えめな胸を張る神楽の頭を撫で、糖分と書かれた掛け軸に向き直る銀時に2人も続く。




「万事屋 出動だァァァ!!」

…なんて淡い違いなんですかね…
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