サイト開設記念リク
□銀と白の宴/銀蝶様
1ページ/5ページ
「銀さんっ!!今日は商店街で500円毎に福引券を一枚くれるんですよ。神楽ちゃんってこういうの強いでしょ?折角だから買い溜めして置こうかと思うんです」
「早く準備するネ銀ちゃん!!米俵一年分アルーっ!」
「おいおい、元気だなァ おめーらよォ…。じゃー行くか、確か苺牛乳切れてたな…」
そんな訳で商店街にやってきた万事屋一行。既に神楽と新八は袋を提げており、銀時は貰った福引券を見ながら食料品の買い物リストを考えていた。
そんな時、通りの反対側に人が避けて通る一角があり、それが段々と移動してこちらに近づいてくるのが見えた。流石は腐れ縁の仲である。しかし、万事屋にとっては天敵とも言える厄介な相手であるので、出くわさないようにとすぐ隣にあった薬局に逃げ込んだ…はずだった。
「なんでてめーらまで薬局に入ってんだ!?
「そっちこそなんでだァァ!!俺らの行く先行く先にてめーらがいる気がするわ!!」
「あん?真選組の隊服着たまま仲良くお買い物ですか??んなわけねーだろ。此処は薬局だぜ、用が無いなら帰れってこのにーちゃんも言ってんだろーが、なぁ?」
銀時がレジにいる店員に声をかける。
「んな訳ねーだろ!なっ 違うよな!!」
煩い客二人から訳の解らないことを振られた店員が面倒臭そうな顔で振り返り、二人を見る。新八などは謝る準備を済ませていたが、店員は固まったままだ…
暫く裁っても店員が固まっているので銀時が近付き声をかける
「…あのー すいません。いきなり話とか振っちゃって..いやー あの目つきの悪い彼がね、なんか変な事行ってくるからさつい…ってあのー 聞いてます?」
「…さん…?」
「え?何ですかもう一回言ってもらえますか??」
「ぎ…銀時さんっ!!」
そう言った店員がいきなり銀時に抱き着く。が、当の銀時が混乱しているのに気づき、腕を離して頭巾とマスクを取る。
「!」
今度は銀時の動きが止まる。薬屋の青年が急いで店内放送をかけると、呼び出された従業員が集まってきた。
そして呼び出した青年の横に立つ銀時を目にした者から駆け出すが、青年が号令を掛ける。遅れて整列しだした列のあちこちから嗚咽が聞こえてくる。
全員が並び終えれば立派な隊列ができていて、一様に銀時を見つめている…先程の青年が代表するように目を見開いている銀時に笑いかける。
「銀時さんっ…帰ってくるのが..遅すぎですよ…。 お帰りなさい」
並んだ青年達も後を追うようにして…お帰りなさい、と笑いかける。
「あぁ、遅くなってすまねェな。」
俯いていた銀時はそれだけを言って、泣き出してしまった青年の頭を撫でる。後ろにいた他の青年の声も震えている
「ずっと待っていたんですよ… 誰も欠ける事なく、銀時さんが俺達に見せてくれた道を歩んできました。」
「おめーら…なんだよ、俺が居なくても余裕じゃねーか。…探し出してやれなくて悪かったな、」
銀時が再び俯く…並んでいた青年達が堪え切れずに駆け寄って行き、涙を拭ったり抱き着いたり 目の前で泣いたりと賑やかである。
銀時は乱暴に青年達の頭を撫でながら呟く
「たでーま…」